弁天アパートメント
2024年
前橋では「めぶく。」を旗印に街の再生へ向け官民をあげた取り組みが進行中である。「弁天アパートメント」もその一環として、前橋市中心市街地に若い世代の住人を呼び込むために計画された。1階はランドリースペースを含む共用部と店舗、2階から4階が住居。2階から分かれる3つの棟の間の階段で屋上緑化されたルーフテラスへ至る。私たちはこの建物を、街を観察する装置であると考えた。住戸の隅部を開放することで、部屋が街に放り出されたような感覚が生まれる。そして部屋が接する街の様相は極めて多様である。低層部の窓からアーケードの側面や上部構造が手に取るように感じられたかと思えば、上層部からは南に中心街、北に広瀬川と赤城山を望むことができる。屋上テラスに昇れば、上毛の山塊に抱かれた広大なスケールの中に、この街があることを実感できるだろう。
掲載誌他
[GA JAPAN] 180
[新建築] 24年2月号
DATA
所在地 / 群馬県前橋市
規模構造 / RC造・地上4階
主要用途 / 共同住宅
敷地面積 / 203.64㎡
建築面積 / 152.43㎡
延床面積 / 579.79㎡
構造設計/yAt構造設計事務所 森部康司
施工 / 小林工業
photo by 木暮伸也