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2015年

東京近郊の緑豊かな住宅地に建つ住宅。小さな庭を通りから敷地の奥へ抜けるように配置し、奥の庭と通りを挟んだ正面のオープンスペースをつなげ、庭側の隣地にある緑地と併せて、まとまりのある抜けを街に提供することが出来ました。庭による近隣の緑の継承とつなぎ直しとともに、建築的には、軒や庇の水平線が強調された周囲の住宅の形式を参照しつつ、このスケールだからこそ考えうる新しい内外の関係性を目指しました。庭に向かった大きな開口と、1階天井際にぐるりと廻した欄間状の開口により、外部環境が内側に侵入し、欄間やモルタルで仕上げた囲いの隙間を通して、ゆっくりと外へ抜けて行きます。内部と外部が緩やかにつながったような場に落ちる柱の列は、周囲の樹木と呼応しながら、抽象的なVOIDとは違う実在感をともなった、密度のある場をつくり出しています。

掲載誌他
[新建築住宅特集] 16年4月号
[新建築住宅特集] 16年4月号text
[LiVES] vol.92 

DATA

所在地 / 東京都
規模構造 / 木造、地上2階
主要用途 / 専用住宅(夫婦+子供1人)
敷地面積 /148.76㎡(45.07坪)
建築面積 /58.26㎡(17.65坪)
延床面積 / 99.13㎡(30.03坪)
構造設計/ yAt構造設計事務所 森部康司
外構・造園設計/ honadagreen 本田浩
施工 / 栄伸建設
photo by 井上登


location: Tokyo
structure: wooden
site area: 148.76m2
footprint area: 58.26m2
total floor area: 99.13m2
consultants: yAt Yasushi Moribe, structural
hoadagreen Hiroshi Honda, landscape
photo : Noboru Inoue